2010年10月1日金曜日

新型 季節性 インフルエンザ予防接種2011






















今年は例年に比べて約2週間早くインフルエンザ予防ワクチンの接種が開始となりました。

昨年は新型と季節型のインフルエンザワクチンは別々に接種したのですが、今年はそれが一括されたワクチンとなり、成人の予防接種は1度で済むようになりました。

胆振西部管内での予防接種の開始は10月1日からとなります。
しかし、卸しからの供給が間に合わない状況ゆえ、実際の開始は当院では10月4日頃から開始となる予定です。
でも、今年は昨年と異なりワクチンは潤沢にあるので心配はないと思います。

ちなみに当院では予約は不要です

今年のワクチンは3種類の抗原が含まれます。
(1)新型ブタインフル A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm株
(2)季節性A香港型 A/ビクトリア/210/2009(H3N2)株
(3)季節性B型 B/ブリスベン/60/2008株

昨シーズンの季節型ワクチンとの違いは、Aソ連型株の代わりにブタ新型株が組み込まれたこと。

接種回数と摂取量は以下の通りです。
1歳未満・・・・・・・・0.1ml×2回
1歳以上~6歳未満・・・0.2ml×2回
6歳以上~13歳未満・・0.3ml×2回
13歳以上・・・・・・・0.5ml×1回

今年は例年よりもインフルエンザの流行が早いと言われております。
それゆえ、早めの予防接種をお勧めします。
当院では予約は不要です。

2010年3月25日木曜日

院内でHbA1c 測定が可能に















2009年5月に協和メデックス株式会社で発売された「A1c GEAR K」を導入しました。

測定時間は6分。
最大の特徴は同時に3検体をセットすることが可能であることが、この機器を導入した理由です。

これまでHbA1cの測定は外注であったため、結果を知るのには数時間を要しましたが、今後は診察前に測定し、結果がすぐ出る形にしました。

1日に20名以上調べていたので、すぐに結果がわかることは糖尿病の指導に役立ちます。
来週から検査可能となります。

2010年3月17日水曜日

クイックナビ「ノロ」



















これって画期的であります。
だって、これまでノロウィルスの判定は外注で、しかも値段も2,3万円。
さらに結果がわかるまで数日要した。

ところが今回、大塚製薬で販売されたクイックナビ ノロは、15分で結果が判明。
しかもお値段も2500円前後で済みます。
ただし保険適応されませんが、これは今までと同じ。

ちょっと下火になったとはいえ、ノロウィルスが新型インフルエンザに代わって猛威を奮っている状況は変わりありません。

検体は糞便なので、タイムリーに検体が採れれば即、判定できます。

ただ、ノロだと解っても特効薬はありません。
しかし、集団感染の予防には十分になります。
一人でもノロウィルス感染が出ると、感染力の強いウィルスゆえ、予防線が張れます。
被害は極力抑え込めるという訳。

明日から、検査OKです。

2010年3月12日金曜日

メーカーさんとの面談日について

月曜日の午後は、ムンテラ、すなわちご家族や施設の方への説明を行う時間を設けたので、メーカーさんとの面談は月曜日の午後は今後「なし」とします。
ご了承ください。

最近は患者さん数が増えるの従い、ご家族や施設の方に説明する機会も膨大に増えました。
診療中に行うことで、診療の流れに支障を来す事が多くなってきました。
そこで月曜日の午後に時間を設けることにした次第です。

メーカーさんとの面談日は火、水、金の午後となります。

2010年3月11日木曜日

ノロウィルス流行す















新型インフルエンザの流行が一段落したと思いきや、今度はノロウィルス感染が多く認められるようになってきました。

昨年は流行しなかったのですが、今年の2月から急に増加。
施設や食品関連、学校などに携わる人は、集団感染に繋がる恐れがあり、特に要注意です。

ノロウィルスの診断はこれまでPCR法で診断し、結果が出るまで数日かかるので集団感染でない場合、つまり単発の感染の場合はPCR法で判断する意義に乏しかった。
結果が出た頃には、大体治っていることが多いからです。
しかも保険適応外。
1回の検査に2−3万円かかります。

ところが今年1/4に大塚製薬からノロウィルス抗原キット『クイックナビ-ノロ」なる製品が発売されました。イムノクロマト法によって、糞便中のノロウィルス抗原を迅速に検出する診断薬です。15分で判定可能です。製造販売はデンカ生研が担当。10回用で19,800円。
お値段的にもかなりお得です。

しかし外来で糞便をタイムリーに採れるのか?という問題も残ります。
そのような時、では何を目安にノロと診断するのか。

自分は以下の手順でノロと考えます。

1)頻繁な嘔吐
 〜下痢のほかに、「嘔吐」です。他の急性胃腸炎でも嘔吐は生じますが、ノロの場合は激し  い嘔吐になります。大事な決め手のひとつとなる臨床症状です。
  さらに倦怠感も通常の胃腸炎より強いケースが多い
2)周りに同じ症状の感染者がいなかったか?
 〜ノロは感染力が強いので、2、3日以内に同じ症状の人が家族や職場でいたのなら可能性
  大となります。
3)ノロウィルスの流行情報
 〜これは当然。

ノロウィルスには特効薬はありません。
対症療法のみとなります。

周りでノロかな?と思う人がいたら、徹底的な手洗いと消毒が必要です。

2010年1月24日日曜日

ホントの意味での血圧コントロール




血圧測定というと腕にマンシェットを当てて測定というのが、一般的イメージなのですがこれってマジの血圧?

体のどこの箇所の動脈圧が一番正確な血圧値なのか?
それは心臓から出ている大動脈。そこの根元。すなわち「大動脈基部の血圧」が該当するんです。この「大動脈基部の血圧」のことを、中心血圧とか、中心収縮期血圧といいます。

左図1をご覧ください。
英国で行われた大規模臨床試験ASCOTのsub-studyであるASCOT-
CAFE試験でアムロジピン治療群とアテノロール治療群の上腕での血圧に差はなかったのですが、中心動脈圧はアムロジピン治療群が有意に低下しており、中心血圧は心血管イベントの予測因子であることが判明しました。

心臓が送り出すときの血圧は、従来でいえば収縮期血圧(上の血圧)を指しますが、厳密にはこの収縮期血圧には「心臓が押し出す駆出圧」と「心臓にはね返って来る反射圧」の2つがあります。
中心血圧では反射圧のほうが高く、上腕で測る血圧の場合は反射圧は肩のあたりで吸収されて駆出圧しか測定できません。
東京医科大学八王子医療センター循環器内科の高沢謙二教授は駆出圧を「善玉血圧」、反射圧は「悪玉血圧」と呼び、さらにこう続けています。
「中心血圧イコール悪玉血圧。高まるのは動脈硬化、高血圧、ストレスなどで血管が硬くなることが原因。さらに戻って来る圧力が直接負荷をかけ続けているので、より心臓病になりやすい」

では中心血圧はどのように測るのか?

専門的にはカテーテルという細い管を、大動脈基部まで挿入して測定するのですが、こんなことをいちいち血圧測定するという目的のために外来で行う事はムリ。
 
そこで利用するのが、「脈波」です。
脈波とは、簡単にいいますと血圧の波形。
腕の血圧の脈波の形状から、中心血圧を知ることができます。

末梢動脈波形の第2のピークは反射圧のピークに相当し、SBP2(収縮後期圧)といいます。
実はこのSBP2は中心血圧に相関します。

中心血圧のコントロールこそが、本当の意味での血圧コントロールであることがご納得でしょうか?

2010年1月20日水曜日

点滴静注用抗インフルエンザウィルス剤登場


これまで内服の抗インフルエンザウィルス剤はありました。
タミフルとリレンザ。
しかし、このたび米国バイオクリスト社の「ラピアクタ」が国内ではシオノギ製薬から販売されることになりました。
初の点滴静注用インフルエンザウィルス剤です。

内服の抗インフルエンザウィルス剤は5日間内服せねばならなかったのですが、このラピアクタは一回だけ点滴すればOK!という優れもの。実に画期的な新薬です。
ただし成人のみ。お子さんは臨床試験データがないので適応にはなりません。
本来でしたら今年の9月に厚生省の認可が降りる予定でしたが、新型インフルエンザが蔓延している現状から、異例の早期認可が降りたという次第です。
厚生省もたまにはイキなことやってくれます。

で、今月27~29日頃に発売予定。
薬価は確定しておりません。

それとおそらく品薄になることは間違いないと思いますが、当院でも採用する予定です。

2010年1月19日火曜日

新型インフルエンザ予防接種は今季は実施しません

ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
今季の新型インフルエンザ予防接種は当院では行いません。
理由はいろいろあるのですが、まずこれまでの新型インフルエンザ感染の傾向から高齢者の感染率が低いこと、ワクチン接種開始時の厚生省の見解が曖昧であったこと、輸入ワクチンの問題などなど。あやふやな状況で予防接種を実施することにためらいがありました。現在では接種方針も固まったので、来季からはしっかりと実施する予定です。