2014年10月24日金曜日

肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種開始

「これまで2種類のワクチンを接種する場合、ひと月以上開けて接種する」ということが医学会の常識でした。
理由はワクチンによる副作用。
もし同時に2種類接種した場合、副作用が出てしまったとき2種類のうちどちらが悪影響を与えたのか判断できなくなってしまうからです。

ところが今年10月から高齢者肺炎球菌感染症予防接種が開始。ちょうどインフルエンザワクチンとの時期が重なり、患者さんから「同時接種は可能なのか?」という問い合わせが殺到しました。当初は慣例に従い、ひと月おいてから残りのワクチンを接種しましょう、という方針を貫いていたのですが先日NHKで某感染症研究機関の大家が出演しており、同時接種も構わないとあっさり告白。

念の為に伊達市に問い合わせてみたところ、「医師の判断に任せる」という返事をもらいました。

ということで、本日から肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種を当院でも開始しました。

患者さんの手間が省けましたね。

それと同時に予防接種の考え方も時代とともに変わってきたのだ、と思いました。

2014年10月10日金曜日

削られたFree T3

Free T3検査について平成26年10月2日付けの北海道国民健康保険診療報酬審査委員会から以下のような通知が来ました。甲状腺疾患のある患者さんはご参照ください。

『◎FT3検査について
 甲状腺機能低下症または橋本病の経過観察においては、当該検査の算定を認めない取り扱いといたしますのでご留意ください。
 なお、FT3検査は甲状腺疾患の診断時及び甲状腺機能更新症またはバセドウ病の経過観察の場合、保険診療上認める取り扱いといたします。
 今後とも保険診療にご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。』

つまり甲状腺機能低下症での経過観察ではFreeT3は調べてはいけないということ。
自分が卒業した当時では考えられない節約モード。基金も苦しいのでしょうね。


2014年9月28日日曜日

高齢者の肺炎球菌感染症予防接種

10/1から翌年3/31までの高齢者肺炎球菌予防接種について

肺炎球菌ワクチン接種。
これまでは自己負担で¥6,500だったのですが、H26.10.1~H27.3.31まで以下の対象者は¥2,300で接種できるようになりました。

65歳:昭和24.4.2~昭和25.4.1
70歳:昭和19.4.2~昭和20.4.1
75歳:昭和14.4.2~昭和15.4.1
80歳:昭和09.4.2~昭和10.4.1
85歳:昭和04.4.2~昭和05.4.1
90歳:大正13.4.2~大正14.4.1
95歳:大正08.4.2~大正09.4.1
100歳:大正03.4.2~大正04.4.1
101歳以上:大正3.4.1以前の生まれの者

ただし過去に肺炎球菌ワクチンを受けたことがある人は対象外となります。

住民票は伊達市、洞爺湖町、豊浦町、壮瞥町のかたが対象となります。それ以外の市町村は対象にはなりません。

101歳以上はラストチャンスなので極力接種することをお勧めします。


*次年度は上記年齢から1歳引いた年齢の人が対象になります
**なぜこのようなシステムになったのかは、御上(おかみ→国ね)が決定されたことなので当院としては質問に対する返答はできかねません

2014年9月5日金曜日

斬新なC型肝炎治療が始まる


新しいC型肝炎の治療薬が出ます。
新薬、多々あれどこの薬は久々の優れもの。
これまで慢性C型肝炎にはインターフェロン療法が一般的でしたが、インターフェロンでC型肝炎ウィルスが駆除できる率はペグ・INF+リバビリン併用療法でさえも約50%、半分の人にしか効果がなかったのです。しかもインターフェロンの副作用に苦しみながらの治療でした。
ところが今回の治療薬は注射ではなく、なんと内服薬。
しかも駆除率が84.7%とは驚きであります。
今までインターフェロンが無効だった人、不適格で使用できなかった人が対象になりますが、来年3月には全てのC型肝炎の患者さんに適応拡大となります。

待ち望んでいた人が多いのではないでしょうか。
当院でも採用する方針です。

2014年8月28日木曜日

第1土曜日も休診にした理由


開院して14年目。
自分もその分、歳をとりました。
某機関病院循環器科の診療削減も伴い患者さんの量、質とも増え、正直言って「しんどい」。さらに本業以外の仕事。検案医や介護認定委員会の仕事、当直、学校検診なども加わります。
当初は土曜日全部休みにしようと考えていたのですが、そうなると土曜日しか来院できない方々にご迷惑をかけてしまいます。
それではということで、まず第3土曜日を休みにしたという訳です。
将来的には土曜日は休診になると思いますが、それはまだ先の話しになるでしょう。